ずっと使ってきた化粧水が、ある日急にしみるようになった。乾燥がひどくなったと思ったら、別の日には皮脂が気になる。肌の調子が日によってこんなにちがうのは、はじめてかもしれない――。
40代の後半から50代にかけての「更年期」と呼ばれる時期の前後は、体だけでなく、肌もゆらぎやすくなるといわれています。この記事では、この時期の肌の変化の背景と、スキンケアを見直すときの考え方、無理をしないための相談先についてまとめます。体や肌の変化には個人差が大きいので、気になる症状がある場合は、医療機関で相談することも大切にしてください。
ゆらぎ肌との付き合い方まとめ
| ポイント | 考え方・方法 |
|---|---|
| 変化を知る | 更年期前後は肌もゆらぎやすい時期と知っておく |
| ケアを減らす | 調子が悪い日は、アイテムを減らしてシンプルに |
| 保湿を中心に | うるおいを守ることを最優先に |
| 新しい物は慎重に | いっぺんに替えず、ひとつずつ試す |
| 相談する | つらい症状は婦人科・皮膚科へ |
更年期前後に肌がゆらぎやすい理由
女性ホルモンの変化
女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、肌のうるおいやハリを保つことにもかかわっているといわれています。更年期の前後は、このホルモンの量がゆらぎながら変化していく時期です。その変化に合わせて、肌の乾燥を感じやすくなったり、ハリの変化を感じたりすることがあります。
自律神経のゆらぎ
ホルモンの変化は、自律神経にも影響するといわれています。急に顔がほてる、汗をかく、眠りが浅くなるといった変化が、肌のコンディションに影響することもあります。
生活の変化やストレス
40代後半から50代は、仕事での責任が増えたり、子育てや親の介護が重なったりと、生活の変化が多い時期でもあります。心身の疲れやストレス、睡眠不足も、肌の調子を左右する要因になります。
こうして見てみると、この時期の肌のゆらぎは、肌だけの問題ではなく、体と心の変化がいっしょにあらわれたものだとわかります。では、そんな時期のスキンケアは、どう考えればいいのでしょうか。
実はここが大事|「足す」より「引く」
肌の調子が悪くなると、「何か新しい化粧品を足さなければ」と考えがちです。美容液を増やしたり、話題のアイテムを次々に試したり。けれど、ゆらいでいる肌にとって、たくさんのアイテムや、新しい成分は、かえって負担になることがあります。
ゆらぎ肌のケアで大切なのは、まず「引く」ことです。調子が悪い日は、洗顔、化粧水、保湿クリームといった最低限のケアにしぼり、肌を休ませる。肌が落ち着いたら、少しずつ元のケアに戻していく。この「引いて、整えて、戻す」という考え方が、ゆらぎやすい時期の肌との上手な付き合い方です。
もう一つ大切なのは、肌の調子が悪い日があっても、自分を責めないことです。ゆらぎは、体が変化している途中のサインでもあります。完ぺきな肌を目指すより、「今日の肌に合ったケア」を選ぶことを目標にしましょう。
ゆらぎ肌のためのスキンケアの見直し方
洗顔はやさしく、洗いすぎない
洗浄力の強い洗顔料や、熱いお湯での洗顔は、肌のうるおいを奪いやすくなります。たっぷりの泡で、ぬるま湯を使ってやさしく洗いましょう。調子が悪い日の朝は、ぬるま湯だけで洗うのも一つの方法です。
保湿を最優先にする
セラミドやヒアルロン酸など、うるおいを守る成分を配合した、シンプルな保湿アイテムを中心にしましょう。化粧水がしみる場合は、刺激の少ない物に替えたり、乳液やクリームだけにしたりして、様子を見ます。
新しいアイテムは、ひとつずつ
化粧品を替えるときは、いっぺんに全部を替えず、ひとつずつ試すのが安心です。いくつも同時に替えると、もし肌に合わなかったときに、どれが原因かわからなくなってしまいます。新しい物を使うときは、腕の内側などで様子を見てから顔に使いましょう。
紫外線対策は、肌にやさしい物で
肌がゆらいでいる時期も、紫外線対策は欠かせません。刺激が気になる場合は、紫外線散乱剤を使った物や、敏感肌向けの日焼け止めを選んでみましょう。
肌のためにできる生活の工夫
- 睡眠時間を確保し、寝る前のスマートフォンをひかえる
- 湯船にゆっくりつかって、体を温め、心を落ち着ける
- たんぱく質や野菜をとり入れ、栄養のバランスを意識する
- 軽い運動やストレッチで、体を動かす
- ほてりやすいときは、重ね着で調整できる服装を選ぶ
肌の調子は、体と心の状態を映しています。スキンケアだけでなく、生活全体を少しやさしくすることも、ゆらぎ肌のケアの一つです。
相談できる場所を知っておく
ほてりや発汗、気分の落ちこみ、眠れないなど、体や心の不調がつらいときは、ひとりでがまんせず、婦人科などで相談してみましょう。更年期の症状について相談できる外来を設けている医療機関もあります。肌のかゆみや赤み、湿疹などが続く場合は、皮膚科で相談するのも大切です。
「年齢のせいだから仕方ない」と思わず、専門家の力を借りることで、ずっと楽に過ごせることもあります。
よくある質問
Q. 更年期になると、必ず肌が荒れるのですか?
A. 肌や体の変化には大きな個人差があり、ほとんど変化を感じない人もいれば、強く感じる人もいます。自分の肌の変化に気づいたら、そのときの肌に合ったケアを選ぶことが大切です。
Q. ゆらぎ肌のときは、化粧品をすべて替えたほうがいい?
A. いっぺんに替えるのはおすすめしません。まずはアイテムを減らしてシンプルなケアにし、それでも合わない物があれば、ひとつずつ見直しましょう。
Q. サプリメントで肌のゆらぎは整いますか?
A. サプリメントは食事のおぎないとして考えましょう。体調や持病、飲んでいる薬によっては注意が必要なこともあるので、気になる場合は医師や薬剤師に相談してください。
自分の肌の「ゆらぎ日記」をつけてみる
肌の調子が日によってちがうときは、簡単な「ゆらぎ日記」をつけてみるのもおすすめです。その日の肌の状態、睡眠時間、食事、気温や湿度、生理の周期、使った化粧品などを、一言ずつメモしておきます。
1〜2か月続けると、「睡眠が短い日の翌日は乾燥しやすい」「生理前は肌がしみやすい」など、自分なりのパターンが見えてくることがあります。パターンがわかれば、「この時期はケアをシンプルにしよう」と、前もって準備することができます。医療機関で相談するときにも、記録があると自分の状態を伝えやすくなります。
「できない日」があってもいい
仕事や家事、介護などで忙しい日が続くと、丁寧なスキンケアの時間がとれないこともあるでしょう。そんな日は、洗顔と保湿だけでも十分です。ゆらぎやすい時期は、「毎日きちんと」よりも「できる範囲で続ける」ことのほうが大切です。自分に合ったペースで、肌と体をいたわっていきましょう。
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まとめ|ゆらぐ時期は、肌の声を聞く時期
40代の後半から更年期の前後は、女性ホルモンや自律神経の変化、生活の変化が重なって、肌がゆらぎやすくなる時期です。いつもの化粧品がしみたり、乾燥や皮脂のバランスが変わったりするのは、決してめずらしいことではありません。
この時期のスキンケアは、「足す」より「引く」が基本です。調子が悪い日はシンプルなケアにしぼり、保湿を最優先に、新しいアイテムはひとつずつ試していきましょう。そして、つらい症状はひとりでかかえず、専門家に相談すること。ゆらぐ時期は、自分の肌と体の声にじっくり耳をかたむける時期でもあります。

